「友達が減っていくのが、大人の証です。」
最近、上記のフレーズを見つけ、興味が湧きました。調べてみると、これは実は2014年に日経ビジネスオンラインで掲載されたコラムから来ているようでした。でも、残念ながら今はそのコラムを見ることはできません。
そこで、ここでちょっと考えてみませんか?「友達が減っていくのが、大人の証」という言葉の真実性について。このテーマは、私たちが成長とともにどのように人間関係を築いていくべきか、という深い問いを投げかけています。
そこで、この記事では次のような内容について考察してみたいと思います。
本記事の内容
- 友達とは何か、その定義について
- 成長とともに友達が減るのは悪いこと?
- 友達関係を見直すべき5つのタイミング
私たちの人間関係は、成長とともにどのように変化していくのでしょうか?一緒に見ていきましょう。
✔本記事を書いた人
ucozi(@ucozi_ikeda)
友達とは?友達の定義
「友達」というものは、なかなか一言で表せるものではありません。とはいえ、ここでは、友達について2つの重要な観点を掘り下げてみたいと思います。
- 友達とは「相互性」の関係にあるもの
- 友達は一緒にいても気疲れしないもの
それぞれ深堀してみましょう。
友達とは「相互性」の関係にあるもの
友達とは、一般的に「他人に比べて特別な関係にある人々」を指します。しかし、これは個々の視点や状況によって、かなり変わります。つまり、友達の定義は非常に主観的です。
友達の半分は片思いの一方通行
イスラエルのテルアビブ大学とアメリカのマサチューセッツ工科大学(MIT)の研究チームによると、自分が友達だと思っている相手の半分しか、相手も同様に友達だと感じていないという結果が出ています。つまり、これは友達関係の半分が片思い、あるいは一方通行である可能性を示しているんです。
この研究結果からわかるのは、友達とは少なくとも「相互性」の関係であるということです。自分も相手も相互に友達だと思っている関係であれば、友達と言えるでしょう。
※参考:科学誌「PLOS ONE」
友達は一緒にいても気疲れしないもの
あなたが本当の友達と一緒にいるとき、その瞬間は楽しく、心地よく、何よりリラックスしているはずです。なぜなら、友達とは一緒にいても気を使わず、疲れることのない存在だからです。
もし、一緒にいて疲れると感じたら、それは友達とは少し違うかもしれません。友達とは一緒にいて自然体で、心地よい空気が流れる関係です。
友達が減っていくのが、大人の証。
人は成長すると、自然と価値観や生活の目標が変わります。これが友人と疎遠になる一因となることもあるのですが、これは決して悲観することではありません。なぜなら、それこそが自分自身についてよりよく理解し、自分が本当に大切にしたいものを見つけ出した証だからです。
古い友達との関係を変えたくないのは執着
古い友達との関係を変えたくないと思う気持ちは、誰しもが持つ感情です。だけど、その感情が「執着」に変わってしまうと、自分自身の成長を阻んでしまう可能性があります。
ストア派の哲学者、エピクテトスの言葉にはこんな一節があります。
何より次のことを心に留めよ。以前の知人友人との付き合いに執着するあまり、彼の水準まで引き下げられてしまわないように。注意せねば、君は身を亡ぼすことになろう。そうした友人に愛されて以前と同じ人間のままでいるか、彼らとの付き合いを断って、人間として成長するか、どちらかを選ばなければならない。
この言葉が教えてくれるのは、過去の関係に固執することで自分の成長が阻害されてしまうということ。新しい友人との出会いは新たな視点を開くきっかけとなり、あなたの人生に新たな経験や知識をもたらします。
友達関係を見直す5つのサイン
最後に友達関係を見直すべき5つのサインを紹介して終わります。具体的には以下のとおり。
- 相互的な尊重が欠けている
- 負の感情が支配的
- 信頼が損なわれている
- 価値観の食い違い
- 成長の阻害
順番に解説します。
サイン① 相互的な尊重が欠けている
友達関係で一番大切な要素は「尊重」です。なぜなら、尊重はあらゆる健康的な人間関係の基盤となるからです。もし、あなたが自分の感情、意見、個人的な境界を友人に尊重されていないと感じるとき、それはその友人関係を再評価するべきサインかもしれません。
例えば、あなたが「私は今日は一人で過ごしたい」と伝えたにも関わらず、友人が無理に遊びに誘ってくる場合。もしくは、あなたの意見や感情を無視したり軽視する行動をとるなど、尊重の欠如が見られるときです。
サイン② 負の感情が支配的
友人と過ごす時間がストレス、不安、否定的な感情を引き起こす場合、それは友人関係を見直すべきサインです。
例えば、友達と会うたびに気疲れする、またはその後に落ち込むことが多いなら、それはその友人関係があなたにとって健康的でない可能性があります。友達といる時間は基本的にあなたを元気づけ、支援し、あなたが自分自身でいられる安全な場であるべきなのです。
サイン③ 信頼が損なわれている
信頼は友人関係の基盤です。もし友人があなたの信頼を裏切ったと感じるなら、その関係を再評価するべきです。
裏切りというのは色々な形があります。約束を破られた、秘密を他人に教えられた、嘘をつかれたなど、これら全てが信頼を損なう行為です。そのような行為が繰り返される場合、友達との関係はあなたにとって有害になりかねません。
サイン④ 価値観の食い違い
友人と価値観が大きく食い違い、その違いがあなたの気持ちを傷つけるなら、その関係を再評価することが必要です。
例えば、友人があなたが大切に思っている何かを侮辱するような言動をとったり、大切なものに対する尊重が欠けていると感じるなら、それは危険信号です。また、あなたの信念や生き方に対する不快な評価が頻繁にある場合も同様です。
そのような状況に遭遇した時は、その友人と話し合ってみてください。自分の気持ちを率直に伝え、理解を求めることは大切です。しかし、何度話し合っても改善されない場合、その友人関係を再評価することを考えてみてください。
サイン⑤ 成長の阻害
自分自身の成長を感じられない、または友人があなたの成長を阻害していると感じる場合、それは関係を見直すべきサインです。
例えば、自分が新たな挑戦をしたいと思ったとき、友人が否定的な態度を見せたり、あなたの進歩や成功を小さく見せようとすることはありませんか? あるいは、あなたが自己成長のために大切だと思う活動や趣味を理解してくれない、あるいは否定するような行動をとることはありませんか?
もちろん、友人からの批判や違う視点は時には必要です。しかし、それが自分自身の成長や自己実現の阻害になっていると感じるなら、その友人との関係を見直してみてください。
まとめ
今回の記事では、友人関係の健康さと自己成長の重要性を考察しました。
何より大切なのは、自分自身の成長を阻害しない、相互的な尊重と信頼が存在する関係を築くことです。価値観が違う、あるいは否定的な感情を引き起こすような友人との関係は見直す勇気を持ちましょう。
友達が減っていくのが、大人の証。成長は時に困難ですが、自分自身の成長を優先し、健全な人間関係を保つことで、より充実した人生を送ることができます。
本日は以上です。
この記事があなたのお役にたてたら嬉しいです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
本記事の参考文献