
本記事は上記のお悩みにお答えします。
ピラティスを始めたいけど、「もし腰痛が悪化したらどうしよう?」と心配していませんか?確かに、新しいエクササイズを始めるときは、体への影響について不安になるものです。
実は、適切に行われるピラティスは腰痛の改善に寄与する可能性がある一方で、不適切な方法で行うと腰痛を悪化させる可能性もあります。
なぜなら、ピラティスには以下のような特性があるからです。
記事の内容
- ピラティスは「パワーハウス」と呼ばれる体の中心部を強化する
- 正しいフォームと技術で行われたピラティスは、腰痛の改善に寄与する可能性がある
- しかし、不適切な方法で行ったピラティスは、腰痛を悪化させる可能性もある
本記事を読むことで、ピラティスを始める前に考慮すべき点や、正しくピラティスを行うためのポイントについて理解できます。腰痛が悪化するリスクを最小限に抑え、ピラティスを安心して始めましょう。
✔本記事を書いた人
ucozi(@ucozi_ikeda)
ピラティスと身体の関係
ピラティスと腰痛の関係を見ていく前に、そもそものピラティスの特徴について確認しておきましょう。
ここでは以下の2点について解説します。
- ピラティスが強化する筋肉群:「パワーハウス」への注目
- ピラティスと心身の結びつき:身体と心のバランスを保つ
ピラティスが強化する筋肉群「パワーハウス」
ピラティスは筋力、柔軟性、バランスを改善するエクササイズであり、その特性から「パワーハウス」と呼ばれる体の中心部(腹部、腰、背中)を強化します。

「パワーハウス」は自動車で言うエンジンのようなもの。私たちの身体の動きを支え、バランスを保つ役割を果たしています。立って歩いたり、物を持ち上げたり、体を曲げたりする時、この「パワーハウス」が強力であればあるほど、安定した動きが可能になります。
ピラティスのエクササイズでは、腹直筋(通常「腹筋」と呼ばれるもの)、腰方形筋(腰部の深層にある筋肉)、多裂筋(背中の筋肉)など、「パワーハウス」を構成する筋肉をターゲットにしています。
これらの筋肉を強化することで、腰痛の予防や改善、姿勢の改善に役立ちます。
全身の筋バランスの改善が健康な身体への鍵
ピラティスが重視するもう一つの重要な要素は、全身の筋肉バランスを改善することです。筋肉バランスが崩れると、それが腰痛の一因となることがあります。
デスクワークなどで長時間同じ姿勢を取り続けると、一部の筋肉が過度に緊張し、他の筋肉が衰えるという「筋肉の不均衡」が生じます。これが、腰への負担となり腰痛を引き起こすこともあります。

ピラティスと身体と心の結びつき
ピラティスは単なる体のエクササイズだけではありません。心身のつながりを強調し、身体全体の健康とバランスに対する意識を高めます

これは、「頭で考えるだけでなく、身体を通じて感じ、理解する」という意識の向上を意味します。
例えば、ピラティスのエクササイズを行う時、ただ運動するだけではなく、その動きが自分の身体にどのような影響を与えているのか、どの筋肉が使われているのか、自分の呼吸はどのようになっているのかといったことに意識を向けます。

腰痛の一般的な2つの原因
ここでは腰痛の原因について解説します。よくある要因としては以下の2つが考えられます。
- 筋肉の不均衡
- 疾患
順番に解説します。
筋肉の不均衡と腰痛:身体の「バランス」が求められる理由
体の筋肉のバランスが崩れると、体全体に負担がかかり、腰痛を引き起こすことがあります。筋肉のバランスが崩れるとは、具体的には、体の一部の筋肉が過度に発達したり、逆に一部の筋肉が衰えたりすること。このような状況だと、体全体のバランスは崩れ、結果的には腰部に過度なストレスを与えて腰痛を引き起こすことがあります。

例えば、長時間座っていると、腹部の筋肉が衰え、反対に背中の筋肉が過度に緊張します。この結果、腰に負担がかかり、腰痛を引き起こす可能性があります。このような筋肉の不均衡を解消することで、腰痛の予防や改善が期待できます。

腰痛を引き起こす可能性のある疾患:腰痛の「医療的な」原因
一方で、腰痛は「椎間板ヘルニア」や「脊柱管狭窄症」などの疾患によっても引き起こされることがあります。
椎間板ヘルニアは、脊椎間のクッションとなる椎間板が破れて突き出し、脊髄や神経を圧迫する疾患です。これにより、激しい痛みやしびれが発生し、特に腰に痛みを感じることがあります。
また、脊柱管狭窄症は、脊椎内を通る神経を守る脊柱管が狭くなる疾患です。これも神経を圧迫し、腰痛を引き起こす可能性があります。
疾患が原因の場合は、医療機関での診断と適切な治療が必要です。無理をせず、痛みが続く場合には専門家の意見を求めましょう。
ピラティスが腰痛に与える影響
ピラティスが腰痛に与える影響としては、以下について解説します。
- ピラティスが腰痛を軽減するケース
- ピラティスが腰痛を悪化させるケース
① ピラティスが腰痛を軽減するケース:適切な行為での改善効果
ピラティスが適切に行われている場合、腰痛の改善に役立つことがあります。例えば、体の中心部を意識的に動かし、筋肉のバランスを整えることで、腰にかかる負担が減少します。
また、ピラティスは身体全体を使う動きが多いため、全身の筋力バランスの改善にもつながります。
ピラティスで強化される腰の筋肉:「コア」と「サポート」
ピラティスは腹部と背部の筋肉、いわゆる「コア」を特に強化します。これらの筋肉は身体を支え、身体のバランスを維持するための「サポート役」です。これらの筋肉が強化されると、自然と身体の姿勢が良くなり、腰への負担が軽減します。

② ピラティスが腰痛を悪化させるケース:正しいフォームの重要性
ピラティスが腰痛を悪化させるケースもあります。それは、ピラティスが正しくないフォームで行われた場合です。
正しいフォームで行わない場合のリスク:ピラティスの「落とし穴」
ピラティスは正しいフォームと技術で行われる必要があります。正しくないフォームで行うと、それは腰に余計な負担をかけ、腰痛を悪化させる可能性があります。
例えば、プランクのポーズを取る際に腰を落とした状態で行うと、腰に大きな負担がかかります。

ピラティスを始める前に考慮すべき2つのこと
安全にピラティストレーニングを行うには、以下の2点が大事になります。
- 健康状態を確認する
- 正しいフォームと技術を学習する
順番に解説します。
健康状態の確認する
ピラティスを始める前には、自身の健康状態を確認し、必要であれば医師の意見を求めることが重要です。特に腰痛を持っている場合、またはそれ以外の健康上の問題がある場合は、運動の影響を正確に理解する必要があります。
例えば、痛みがある場合、それが何から来ているのか、運動が痛みを増幅させる可能性があるのか、それとも逆に改善するのか、これらのことを知ることは非常に重要です。
プロフェッショナルの意見を求める:専門家による指導が必要
そして、ピラティス専門スタジオやインストラクターから指導を受けることも大切です。ピラティスインストラクターは、あなたの体の状態を評価し、あなたのニーズに合わせたエクササイズを提案してくれます。
例えば、腰痛がある場合、腰への負担を最小限に抑えつつ、体の中心部を強化するエクササイズを提案してくれるはずです。
正しいフォームと技術を学習する
ピラティスを始める際には、正しいフォームと技術を学ぶことも重要です。ピラティスは正しい実施方法でなければ、その効果を発揮できないばかりか、身体に悪影響を及ぼす可能性があります。
例えば、正しくない姿勢で行うと、腰に不必要な負担をかけることになり、腰痛を悪化させる可能性があります。それを避けるためにも、最初から正しいフォームと技術を身につけることが重要です。
最近はリフォーマーと呼ばれるマシンピラティスに人気が集まっていますが、マシンを使うと初心者でも正しいフォームでトレーニングできるので効率的に鍛えることができます。
マシンピラティス専門スタジオについては、以下の記事で詳しく解説しています。

よくある質問
ここでは今までの内容をQ&A方式でまとめました。ぜひ参考にしてください。
Q..ピラティス初心者が注意すべきことは?
ピラティスを初めて行う人は、身体の健康状態の確認と専門家の意見を求めることが重要です。例えば、既存の腰痛やその他の健康問題がある場合、特定の動きが問題を悪化させる可能性があります。これを防ぐために、運動を始める前に医師に相談することが重要です。
また、ピラティスインストラクターは、あなたの身体の状態を考慮に入れて、適切なエクササイズと正しいフォームを指導してくれます。これらのポイントを押さえておくことで、ピラティスの効果を最大限に引き出し、同時にリスクを最小限に抑えることができます。
Q.ピラティスが腰痛を悪化させることはありますか?
ピラティスが腰痛を悪化させる可能性があるのは、特定の健康状態の下で行われた場合や、エクササイズが正しく行われなかった場合です
正しくないフォームでピラティスを行うと、腰に過度なストレスをかけ、結果的に腰痛を悪化させる可能性があります。なので初心者はピラティスインストラクターの指導の下で行うことをお勧めします。
Q.ピラティスはどのように腰痛を改善するのですか?
ピラティスは、体の中心部を強化するエクササイズで、特に「パワーハウス」と呼ばれる腹部、腰、背中の筋肉をターゲットにします。これらの筋肉を強化することで、体の全体的なバランスが改善し、腰痛が軽減される可能性があります。
例えば、腹部の筋肉が強くなると、腰にかかる負担が減少し、それによって腰痛が緩和されます。しかし、これを達成するためには、エクササイズが正しいフォームと技術で行われることが必要です。
まとめ
本記事では、ピラティスと腰痛の関連性について解説しました。本記事の内容を改めて整理すると、以下のとおり。
- ピラティスは「パワーハウス」の筋肉を強化し、体の筋肉バランスを改善することで腰痛の緩和に寄与する可能性があります。
- しかし、ピラティスが腰痛を悪化させる可能性もあり、特に正しいフォームや技術で行われない場合にはリスクが増大します。
- 腰痛を抱える方がピラティスを始める際には、健康状態の確認や専門家の意見を求めることが重要です。
ピラティスは一般的に身体の健康状態を向上させ、筋力や柔軟性の強化に寄与するエクササイズですが、それぞれの人の身体状態や目標に合わせて行われるべきです。腰痛がある場合やその他の特別な健康状態がある場合には、専門家と相談し、個々に適したプログラムを組んでもらいましょう。
また、ピラティスの効果を最大限に引き出すためには、適切なフォームで行うことが不可欠ですので、初心者はピラティスマシンの専門スタジオで指導を受けるのもお勧めです。
マシンピラティス専門スタジオについては、以下の記事で詳しく解説しています。
本日は以上です。
この記事がどなたかのお役にたてたら嬉しいです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。