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ひとり経営を整える

ヨガインストラクター1.5万人は多すぎる?数値から読む、これからの生き残り戦略

ヨガインストラクター1.5万人は多すぎる?数値から読む、これからの生き残り戦略

前回の記事で、フェルミ推定を使って「日本のヨガインストラクターは約1.5万人」という数字を導き出しました。

では、この1.5万人という数字、需要に対して多いのか、少ないのか

「生徒よりも講師募集のほうが人が集まる」というのは、ヨガ業界で実際に聞こえてくる声です。肌感覚として「インストラクターが増えすぎている」と感じている方も多いと思います。一方で、シニア層の健康需要の拡大、企業向けウェルネスプログラムの普及、オンラインヨガの成長など、新しい市場も確実に生まれています。

感覚だけで判断するのではなく、数字で確かめてみましょう。

ということで、この記事ではスタジオ数・市場成長率・収入データをもとに「1.5万人の現在地」を整理し、現役インストラクターが今後とるべき戦略を勝手に考えていようと思います。

この記事でわかること

  • スタジオの実需要と1.5万人を照合したときに見える「需給ギャップ」の実態
  • 日本のヨガ市場が世界と比べてなぜ成長が遅いのか
  • それでも活路がある4つの方向性と、その根拠となる数字
  • 「教える側に回る」ならどちらに向けるべきか——これからなる人と、すでに活動中の人、数字が示す答え

この記事は、前回の「日本のヨガインストラクターは何人いるのか?フェルミ推定で迫ってみた」の続きです。先に読んでいただくと、数字の背景がよりわかりやすくなります。

前回の数字をおさらいする

前回の数字をおさらいする

前回の記事では、3つのアプローチから日本のヨガインストラクター数を推定しました。

アプローチ推定値主な前提条件
A:需要側(ヨガ人口→クラス数)約1万7,000人定期実践者500万人、スタジオ通い50%、クラス12人、週12コマ
B:スタジオ数から積み上げ約1万5,600人全国2,500店舗×5名×フリーランス補正1.25
C:資格保有者から逆算約1万5,000人RYT200保有者2万7,000人×稼働率55%

異なるアプローチで推測してみましたが、1万3,000〜1万7,000人に収束しました。

この記事ではこのうち、わかりやすさのために「約1万5,000人(1.5万人)」という数字を使って話を進めます。

スタジオの実需要と照合してみる

スタジオの実需要と照合してみる

まずは「スタジオで働く」という、ごくオーソドックスな働き方に必要なインストラクター数を見てみます。

全国のヨガ型スタジオ数と必要人数

フィットネス施設の調査によると、「ヨガ型(常温ヨガ・ホットヨガなど)」と分類される施設は全国に約1,877施設あります。ここにはLAVAやCALDOといったホットヨガチェーン、常温ヨガスタジオ、ヨガを主力にしているピラティス・フィットネス施設が含まれます。

1施設あたり、何人のインストラクターが必要でしょうか。大型ホットヨガは1店舗あたり6〜10人、小規模スタジオは2〜3人が多いので、平均して5人/施設と置いてみます。

ポイント

  • 1,877施設 × 5人 = 約9,400人

つまり、「ヨガ型スタジオで普通にシフトを回す」という前提では、日本全国で約9,400人いれば足りる計算になります。

余剰5,600人が意味すること

ここで、前回の推定値1万5,000人と比べてみましょう。

項目人数
推定・稼働中インストラクター数約1万5,000人
ヨガ型スタジオで必要な人数約9,400人
差分(余剰)約5,600人

単純計算すると、約5,600人のポジションがスタジオには「ない」ことになります。この差分にいる人たちは、例えばこんな状況にいます。

  • スタジオ以外(スポーツクラブ、公民館、企業出張、オンライン)でなんとか仕事を作っている人
  • 資格を取ったものの、思うようにクラス本数が持てず半分休業状態の人
  • 別の仕事をメインにして「時々クラスを持つだけ」の副業インストラクター

業界でよく聞く「生徒よりも講師募集のほうが人が集まる」という声は、この余剰5,600人の存在を裏側から反映しています。

ここまでの結論を一言でまとめると、

ポイント

  • ヨガ型スタジオの需要だけを見ると、インストラクターは明らかに「供給過多」です。

ただし「数が多い」だけでは語れない:種類のミスマッチが起きている

ただし「数が多い」だけでは語れない:種類のミスマッチが起きている

ここまで読むと、「やっぱりインストラクター多すぎなんじゃ…」と思うかもしれません。ですが、話はそこまで単純ではありません。今起きているのは「数」の問題だけでなく、「どのジャンルにインストラクターが多いか」という種類のミスマッチでもあります。

増えているのはヨガではなくピラティスと24時間ジム

フィットネス施設の新規開業データを見ると、ここ数年で最も増えているのは24時間ジムとマシンピラティスです。2024年〜2025年の1年間に新しくできたフィットネス施設のうち、24時間ジムが約4割、マシンピラティスが大きく伸びています。

一方、常温ヨガスタジオは横ばい、あるいは微増〜微減。つまり、ヨガインストラクターは増えているのに、ヨガスタジオだけが増えているわけではないという状態です。

需要の伸びが大きいのは、

ポイント

  • 姿勢改善やボディメイクニーズに直結するマシンピラティス
  • 筋トレ・有酸素などを自分のペースで行える24時間ジム

であり、「ヨガだけ」のスタジオは競争が厳しくなっています。

スタジオヨギー破産が示すもの

長年、常温ヨガの代表的なブランドだった「スタジオ・ヨギー」は、2025年に破産しました。ヨガ自体のニーズがゼロになったわけではありませんが、

ポイント

  • ホットヨガやマシンピラティスとの競合
  • オンラインレッスンの普及
  • コロナ禍以降の固定費負担(家賃など)

といった要因が重なり、「ヨガスタジオ単体のビジネス」が成り立ちにくくなってきました。

これは、インストラクターの目線で言い換えるとこうなります。

「ヨガだけ教えられる人」は多すぎる一方で、「ヨガ+αで価値を出せる人」はまだ足りていない。

この「+α」が何なのかを、次の章で掘り下げていきます。

市場は成長するが、日本だけ速度が遅い

市場は成長するが、日本だけ速度が遅い

ヨガ市場全体の話も触れておきます。

世界CAGR9%に対して日本は3.4%

世界のヨガ市場は、2025年から2030年にかけて年平均成長率(CAGR)9%前後で成長すると予測されています。一方で、日本のヨガ・ピラティス関連市場は同期間でCAGR3〜4%程度とされています。

つまり、

ポイント

  • 世界:まだ「拡大期」にいる
  • 日本:拡大はしているが、「成熟に向かう途中」

という位置づけです。

人口減少や高齢化、都市部への集中といった日本固有の要因を考えると、「ヨガだけで新規顧客がどんどん増えていく時代」ではないことがわかります。

平均参加年齢59歳という現実

ある調査によると、ヨガスタジオ利用者の平均年齢は約59歳とされています。若い女性だけをイメージしがちなヨガですが、実際には50〜60代以降の参加者が多く、「健康維持」「肩こり・腰痛ケア」「運動不足解消」といったニーズが中心になっています。

これはインストラクターにとってはチャンスでもあります。

なぜなら、

ポイント

  • 高齢化は今後も止まらない
  • 医療費抑制の流れから、「未病」「予防」のニーズは確実に伸びる
  • シニア世代は、若者よりも「継続」してくれやすい

からです。

つまり、若者向けの「おしゃれヨガ」のパイは頭打ちでも、「健康寿命を伸ばすためのヨガ」のパイはこれから本格化するということです。

それでも活路はある:ヨガを起点に価値を足す

それでも活路はある:ヨガを起点に価値を足す

ここまでの話をまとめると、

ポイント

  • ヨガ型スタジオの需要に対して、インストラクターは供給過多
  • 増えているのは24時間ジムとマシンピラティス
  • ヨガ市場自体は成長しているが、日本は世界より成長速度が遅い
  • シニア・健康寿命の分野はこれから伸びる

という状況です。

では、ここからどう動けばいいのか。キーワードは、「ヨガを起点に、別の価値を足す」です。4つの方向性を紹介します。

① マシンピラティスへのスキルシフト

ここ数年で最も伸びているのが、マシンピラティススタジオです。特に都市部では、「1駅につき1店舗あるのでは?」と思うほど、ここ数年で一気に増えました。

マシンピラティスは、

ポイント

  • 姿勢改善・ボディメイクといった「見た目の変化」に直結しやすい
  • 1レッスンあたりの単価が高い(ヨガより高単価なことが多い)
  • マシンの台数が限られるため、少人数でもビジネスとして回りやすい

という特徴があります。

ヨガインストラクターは、すでに解剖学・呼吸・姿勢についての基礎理解があります。そのため、まったくの未経験者よりも、マシンピラティスインストラクターへの転換がしやすいポジションです。

「ヨガインストラクターとして飽和した市場で戦う」のではなく、「ヨガ+マシンピラティス」を武器に、伸びている市場に軸足を移す。これは、数字が裏付ける現実的な戦略です。

② シニア・メディカルヨガへの特化

② シニア・メディカルヨガへの特化

平均年齢59歳というデータからもわかるように、ヨガの主戦場はすでに「健康寿命を伸ばしたい世代」に移っています。

ここでは、

ポイント

  • 整形外科・整骨院・リハビリ施設と連携した「メディカルヨガ」
  • 介護施設・デイサービスでの「チェアヨガ」「脳トレヨガ」
  • 自治体・企業の健康増進プログラムとしてのヨガ

といったニーズが広がっています。

この分野で必要なのは、

ポイント

  • 高齢者の身体的特徴への理解(転倒リスク、骨粗しょう症など)
  • 安全性を最優先した指導スキル
  • 医療・介護職とのコミュニケーション力

です。

「ヨガだけ」を教えるインストラクターは多くても、「シニア・メディカルに対応できるインストラクター」はまだ少ないのが現実です。ここには、明確なポジション取りの余地があります。

③ 法人向けウェルネスプログラム

ここ数年、企業が従業員向けに「メンタルヘルス・ストレスケア・健康増進」のプログラムを導入する例が増えています。ヨガやマインドフルネスは、その代表的なコンテンツです。

法人向けのヨガには、

ポイント

  • 1回あたりの単価が高い
  • 定期契約になると、年間の売上が読みやすい
  • 「福利厚生費」として予算がつく

というメリットがあります。

一方で、企業向けに提案書を作る、見積もりを出す、請求書を発行する、という基本的なビジネススキルに不安があり、踏み出せていないインストラクターも多いはずです。

ここには、「ヨガ×法人営業」というハイブリッド人材のチャンスがあります。インストラクターが一人でやるのが難しければ、そこをサポートするビジネス(提案書テンプレート、契約のサポートなど)も十分成立しうる領域です。

④ オンライン×コミュニティ型への転換

オンラインヨガのプラットフォーム(例:SOELUなど)は、すでに数十万人規模の会員を抱えています。こうした大手プラットフォームに参加する道もあれば、自分の小さなコミュニティをオンラインで持つ道もあります。

オンラインの強みは、

ポイント

  • 地理的制約がない(地方在住でも全国にリーチできる)
  • 少ない人数でも継続しやすい(月額制のサロンなど)
  • 録画コンテンツとライブを組み合わせられる

ことです。

ここで鍵になるのは、「何を教えるか」よりも、「誰とどんな関係性を作るか」です。たとえば、

ポイント

  • 産後ママ向けの深夜オンラインヨガ
  • デスクワーカー向けの15分・肩こりリセットヨガ
  • 更年期世代のためのゆるいコミュニティヨガ

のように、ターゲットと状況を具体的に絞ることで、「この人のクラスだから続けたい」と思ってもらえる余地が生まれます。

「教える側に回る」ならどちらに向けるべきか

「教える側に回る」ならどちらに向けるべきか

ここまで読んで、「ヨガインストラクターを育てる側に回る」という選択肢が頭をよぎった方もいるかもしれません。養成講座・ビジネス講座・オンラインスクールなど、「教える側」のビジネスは魅力的に見えます。

では、教える相手を

ポイント

  • A:これからインストラクターになりたい人
  • B:すでにインストラクターとして活動している人

のどちらに設定すべきか。数字と構造から考えてみます。

これからインストラクターになる人 vs すでに活動中の人

まず、対象となる母数です。

ポイント

  • 「これからインストラクターになりたい人」:RYT200保有者2万7,000人+毎年新規参入者。今後も一定数増え続ける。
  • 「すでに活動中の人」:前回の推定で約1万5,000人。そのうち、「現状に課題を感じている人」が相当数いる。

次に、それぞれの「困りごと」を見てみます。

ポイント

  • A:これからなる人
    └ 資格の取り方がわからない/どのスクールがいいかわからない/インストラクターの働き方をイメージできない
  • B:すでに活動中の人
    └ クラス本数が増えない/単価が上げられない/収入が安定しない/体力的にこれ以上本数を増やせない

そして、支払い意欲です。

ポイント

  • A:資格養成の段階で、すでに数十万円をスクールに支払っている。その後、さらに大きな金額を出す余力は限られる。
  • B:今まさに生活がかかっているため、「問題が解決するなら投資したい」というモチベーションを持ちやすい。

数字が示す答え

ここまでをまとめると、

ポイント

  • 養成スクール(A向け)はすでに飽和しており、価格競争も激しい
  • 一方で、「インストラクターになった後のキャリア・ビジネス」を教えるプレイヤーはまだ少ない
  • しかも、Bのほうが支払い意欲が高く、「成果に対してお金を払いやすい」構造になっている

という状況です。

なので、

ポイント

  • 「教える側」に回るなら、これからインストラクターを目指す人よりも、すでに現場で活動している人のビジネス課題を解決するほうが、競合が少なく、価値も出しやすい

というのが、数字と構造から見た結論です。

たとえば、

ポイント

  • ヨガインストラクター向けの集客・発信講座
  • ヨガ×マシンピラティスへの転換支援
  • シニア・メディカル分野へのステップアップ講座
  • 法人向けヨガの提案・契約・運営サポート

といった領域には、まだ十分なプレイヤーがいません。

まとめ:悩めるヨガインストラクターへのメッセージ

私はかつて、ヨガスクールに7年間在籍していました。その間にたくさんのインストラクターと出会いましたが、「レッスンは本当に上手いのに、ビジネスが苦手なせいで続けられない人」を何人も見てきました。

1.5万人という数字だけを見ると、「もう飽和している」と感じるかもしれません。でも、この記事で見てきたように、飽和しているのは「ヨガだけを教えるポジション」であって、ヨガを起点に別の価値を足せる人、そしてその人たちを支える人は、まだ全然足りていません。

あなたが今、「このままヨガインストラクターを続けていていいのか」と不安になっているなら、その感覚は間違っていません。ただし、「ヨガをやめるべきだ」という話でもありません。

ヨガを捨てるのではなく、ヨガを土台に何を足すのか。

このブログ「インストラクターのためのひとりビジネス作戦会議」では、その一歩を一緒に考えていきます。この記事が、あなたの次の一手を決めるヒントになればうれしいです。

よくある質問

ヨガインストラクターは本当に「多すぎる」のでしょうか?

ヨガ型スタジオの需要だけを見ると、必要人数は約9,400人と推計されます。それに対して稼働中のインストラクターは約1万5,000人と見られるため、「スタジオ勤務」という枠に限れば供給過多と言えます。ただし、企業向け・シニア向け・オンラインなど、新しい需要が生まれている領域もあります。

これからヨガインストラクターになるのは、もう遅いですか?

「ヨガだけ」を武器にすると厳しいですが、「ヨガ+何か」を前提にするならまだ十分チャンスがあります。マシンピラティス、シニア・メディカルヨガ、法人向け、オンラインコミュニティなど、ヨガを起点に価値を足す方向にキャリアを設計するのがおすすめです。

インストラクター向けのビジネスを始めるなら、何から着手すべきですか?

まずは「誰の、どんな悩みを解決するのか」を具体的に決めることです。たとえば「週10本以上クラスを持っているのに、収入が伸びないインストラクター」のように、対象を一人の人物像にまで絞ります。そのうえで、集客・単価アップ・働き方の整理など、自分の強みと重なる領域から小さく始めるのが現実的です。

参考文献・データ出典

  • この記事を書いた人
この記事を書いた人

ucozi(うこじ)

元ヨガスクールの中の人。 在籍中は宣伝部門の責任者として、WEB集客の設計・運用、ヨガ情報サイトの企画・立ち上げ、WEBライター養成講座のコース開発などを担当していました。

このサイトでは「インストラクターのためのひとりビジネス作戦会議」をテーマに、資格を取ったあとの集客・発信・お金・働き方について、当時の経験と、スクールにいた時には言えなかったことを、自由な立場からお届けしています。

 

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