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日本のヨガインストラクターは何人いるのか?フェルミ推定で迫ってみた

日本のヨガインストラクターは何人いるのか?フェルミ推定で迫ってみた

「最近、ヨガの資格を取った人、増えてない?」

スタジオで働いていると、そういう感覚を持ち始めている方は多いと思います。SNSを見れば資格取得の報告が流れてくる。スクールの説明会には定員いっぱいの応募が来る。でも、肝心の生徒の数は、そこまで増えている気がしない。

「インストラクターって、今、何人いるんだろう?」

そう思ったことはありませんか。実はこの問いに答えられる公式な統計は存在しません。国がまとめた「ヨガインストラクター人口」というデータはなく、資格の種類もスクールごとにバラバラで、全体像を把握するのが難しい業界です。

そこでこの記事では、「フェルミ推定」という思考法を使って、日本で現在活動しているヨガインストラクターが何人いるのかを、論理的に導き出してみました。難しい計算は出てきません。「こういう前提を置けば、こう考えられる」という流れを、一緒に追いかけてみてください。

この記事でわかること

  • フェルミ推定とは何か(むずかしくないのでご安心を)
  • 「ヨガ人口からの積み上げ」「スタジオ数からの積み上げ」「資格保有者からの逆算」、3つのアプローチそれぞれの考え方と数字の根拠
  • 3つのアプローチから得られた共通の答えは約1.5万人

フェルミ推定とは何か?

フェルミ推定とは何か?

フェルミ推定とは、「正確なデータがなくても、手持ちの知識と論理を積み重ねて、現実に近い数値を導き出す」思考法です。名前は、ノーベル物理学賞を受賞したイタリア出身の物理学者エンリコ・フェルミにちなんでいます。

有名な例として「シカゴにピアノ調律師は何人いるか?」というものがあります。「シカゴの人口は約270万人」「家庭の何割かにピアノがある」「ピアノは年1回調律する」「1人の調律師が年間何台こなせるか」、こうした問いを順番に積み重ねると、直接調べなくても現実に近い数字が出てきます。

大切なのは、ピッタリ正確な数字を出すことではありません。「おそらくこのくらいのスケール感だ」を論理的に確かめることに価値があります。

今回のヨガインストラクターの推定も、この考え方で進めます。

3つのアプローチで推定する

今回は、まったく異なる視点から3つのルートで数字を出します。

アプローチが違うのに最終的に似た数字に収束するなら、その推定は信頼できる、そういう判断ができます。

アプローチA:需要側から積み上げる(ヨガ人口 → クラス数 → インストラクター数)

アプローチA:需要側から積み上げる(ヨガ人口 → クラス数 → インストラクター数)

ステップ① ヨガをしている人は何人いるか

総務省が5年ごとに実施する「社会生活基本調査」によると、日本人口のうち約1割がヨガを経験しています。日本の人口を約1億2,500万人とすると、単純計算で1,000万人超という数字が出てきます。

ただし、この中には「去年1回だけ体験した」「以前やっていたが今はやっていない」という人も含まれます。ここでは「週1回以上、定期的にヨガを実践している人」に絞って考えます。ヨガジャーナル日本版などの調査を参考にすると、定期的な実践者は400〜700万人程度と推計されています。計算の基準として、保守的に500万人を使います。

ステップ② そのうち何人がスタジオや教室に通っているか

500万人の実践者全員が、インストラクターのいるクラスに通っているわけではありません。自宅でYouTube動画を見ながらひとりで実践している人、アプリを使っている人、オンライン動画を購入して使っている人も多くいます。

業界の感覚値として、スタジオや対面教室に通っている割合は実践者の約半数と考えられています。つまり、500万人 × 50% = 250万人が、インストラクターのいるクラスに参加していると仮定します。

ステップ③ 週に何クラス必要か

250万人が週1回クラスに参加するとして、1クラスあたりの平均参加人数を設定します。スタジオの口コミや業界情報をもとにすると、1クラスあたり9〜15人が一般的な範囲です。ここでは中間の12人を使います。

必要なクラス数を計算します。

週間クラス数 = 250万人 ÷ 12人 = 約20万8,000クラス/週

全国で毎週、約20万クラスが開催されている計算になります。

ステップ④ 1人のインストラクターが週に担当できるクラス数

次に、1人のインストラクターが週に何クラス担当できるかを考えます。

スタジオ正社員の場合、1日3〜4コマ×週5日稼働で、週15〜20コマが上限です。一方、複数スタジオを掛け持ちするフリーランスの場合は、移動時間や準備を考えると週10コマ前後が現実的と言われています。この2つの平均をとって、週12コマと設定します。

これで必要なインストラクター数が出ます。

ポイント

  • 必要インストラクター数 = 20万8,000クラス ÷ 12コマ ≒ 約1万7,000人

アプローチB:スタジオ数から積み上げる

アプローチB:スタジオ数から積み上げる

全国のヨガスタジオは何店舗あるか

大手チェーンの店舗数を確認すると、ホットヨガ最大手のLAVAが全国449店舗、ヨガ・ピラティス複合のZen placeが79店舗など、上位10チェーンの合計だけで700〜800店舗になります。そこに個人経営の小規模スタジオ、スポーツクラブ内のヨガクラス、公民館・カルチャーセンターなどを加えると、全国で2,000〜3,000店舗程度と推定されます。ここでは中間の2,500店舗を使います。

1店舗あたりのインストラクター数

店舗の規模によって大きく変わります。LAVAのような大型ホットヨガスタジオは1店舗あたり6〜10名体制。個人が運営する小規模スタジオは2〜3名が多いです。これらを平均すると、1店舗あたり5名が現実的なラインです。

スタジオ所属インストラクター数 = 2,500店舗 × 5名 = 1万2,500人

スタジオに所属していないインストラクターも加える

スタジオに所属せず、スポーツクラブへの派遣、企業向け出張レッスン、自治体のカルチャー教室などで活動するフリーランスインストラクターも相当数います。業界では、こうしたスタジオ非所属のフリーランス比率は全体の20〜30%程度とされています。

この補正を加えると、

ポイント

  • 1万2,500人 × 1.25(フリーランス補正)= 約1万5,600人

アプローチC:資格保有者から逆算する

アプローチC:資格保有者から逆算する

RYT200とは何か

「RYT200」とは、全米ヨガアライアンス(Yoga Alliance)が認定する、現在もっとも普及しているヨガインストラクター資格です。「RYT」はRegistered Yoga Teacher(登録ヨガティーチャー)の略、「200」は200時間のトレーニングを修了したことを意味します。

全米ヨガアライアンスはアメリカに本部を置く国際的な非営利団体で、日本国内でも多くの養成スクールがこの資格を取得できるカリキュラムを提供しています。法律上の必須資格ではありませんが、「ヨガインストラクターの基本資格」として業界で広く認知されており、求人票にも記載されることが多い資格です。

日本国内のRYT200保有者数と稼働率

業界の推計によると、日本国内のRYT200保有者は約2万7,000人とされています。ただし、この全員が現在も指導活動をしているわけではありません。育児や転職を機に離れた人、趣味として資格を取っただけの人、体調不良で休止中の人——様々な事情で「持っているけど教えていない」状態の人が相当数います。

稼働率を50〜60%と仮定すると、実際に活動中のインストラクター数は、

ポイント

  • 2万7,000人 × 55% = 約1万4,850人(≒1万5,000人)

なお、大手チェーンの公開情報で裏付けすると、LAVAが3,000名以上、Zen placeが1,169名のインストラクターを抱えています。この2社だけで4,000人超。業界全体でその3〜5倍と考えれば、1万2,000〜2万人のレンジに自然と収まります。

3つのアプローチが「1.5万人」に収束する

3つのアプローチが「1.5万人」に収束する

3つのアプローチで出した数字を並べてみます。

アプローチ推定値主な前提条件
A:需要側(ヨガ人口→クラス数)約1万7,000人定期実践者500万人、スタジオ通い50%、クラス12人、週12コマ
B:スタジオ数から積み上げ約1万5,600人全国2,500店舗×5名×フリーランス補正1.25
C:資格保有者から逆算約1万5,000人RYT200保有者2万7,000人×稼働率55%

3つのアプローチで1万3,000〜1万7,000人のレンジに収束しました。入り口がまったく異なる計算なのに、似た数字が出てきたので、この推定数の精度は一定以上かなと思います。

結論として、日本で現在活動しているヨガインストラクターは約1万5,000人(1.5万人)と見るのが妥当です。

この数字、多いのか?少ないのか?

この数字、多いのか?少ないのか?

1.5万人という数字が出ました。ここで当然、次の疑問が生まれます。

「それって、需要に対して多すぎるの?それとも足りていないの?」

業界では「生徒よりも講師募集のほうが人が集まる」という声が実際に上がっています。一方で、シニア層の健康需要の拡大、企業向けウェルネスプログラムへのヨガ採用、オンラインヨガの普及など、新たな市場も確実に生まれています。単純に「多い・少ない」では語れない、もう少し複雑な構造が業界には存在しています。

この点については、次の記事でデータをもとに詳しく検討します。スタジオの実需要と1.5万人を照合すると、ある驚きの数字が見えてきます。ぜひ続けて読んでみてください。

よくある質問

よくある質問

ヨガインストラクターの人数を調べる公式な統計はありますか?

現時点では存在しません。

ヨガインストラクターは国家資格ではないため、厚生労働省や総務省が人数を集計する仕組みがありません。資格の発行団体も複数あり、それぞれのデータを合算する方法も確立されていないのが実情です。

そのためこの記事では、複数のアプローチから論理的に推定する「フェルミ推定」を用いました。

RYT200を持っていないとヨガインストラクターになれないのですか?

そんなことはありません。日本ではヨガを教えるために法律上必須の資格はなく、RYT200はあくまで業界内で広く認知された民間資格のひとつです。

ただし、求人票の応募条件や、スタジオでの信頼性という観点から、取得しているインストラクターが多いのは事実です。

1.5万人という推定値はどのくらい信頼できますか?

3つの独立したアプローチがすべて1.3〜1.7万人のレンジに収まったことから、オーダー(桁)としての信頼性は高いと考えています。

ただしフェルミ推定の性質上、前提条件の置き方によって数字は変わります。「1万人台である」という大きな枠組みは妥当ですが、1万4,000人なのか1万6,000人なのかは、現時点では断言できません。

ピラティスインストラクターも含まれていますか?

この記事の推定はヨガインストラクターのみを対象としています。ピラティスはヨガとは異なる資格体系を持っており、別途推定が必要です。

なお近年、マシンピラティス市場の急拡大に伴い、ヨガ資格保有者がピラティス資格も取得するケースが増えています。この点については次の記事で触れます。

参考文献・データ出典

  • この記事を書いた人
この記事を書いた人

ucozi(うこじ)

元ヨガスクールの中の人。 在籍中は宣伝部門の責任者として、WEB集客の設計・運用、ヨガ情報サイトの企画・立ち上げ、WEBライター養成講座のコース開発などを担当していました。

このサイトでは「インストラクターのためのひとりビジネス作戦会議」をテーマに、資格を取ったあとの集客・発信・お金・働き方について、当時の経験と、スクールにいた時には言えなかったことを、自由な立場からお届けしています。

 

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