こんなお悩みにお答えします。
突然ですが、普段レッスンの時、どんな音楽を使ってますか?
「お気に入りのCDを使ってます。自分で購入したものだからから使用しても大丈夫でしょ?」なんて考えてたら要注意。
なぜなら音楽CDは「モノを買っただけ」で「モノにある著作権」を買ったわけではないからです。
ということで、本記事ではちょっと分かりにくい「ヨガインストラクターのための音楽と著作権」をテーマに解説します。
無断使用してると「著作権の侵害」となり、ペナルティを受ける可能性があるので要注意です。
この記事では「著作権フリー」で「商用利用可能」、かつ「無料」で使える音楽素材サイトを紹介しますので、レッスン時に音楽を使用したいヨガインストラクターはぜひ参考にしてください。
✔本記事を書いた人
ucozi(@ucozi_ikeda)
他人の作った音楽を使うには「許諾」が必要
音楽に限らず、他人のつくった創作物には「著作権」があります。そのため、無断で使用することはできず、使用する際は事前に「許諾」を得る必要があります。
例外として認められているのは、以下のような場合。
- 私的使用のための複製
- 運営者が包括許諾を得ている場合
- 営利を目的としない上演等
②はヨガイベントの主催者などがまとめて許可を得ている場合。
③は注意が必要で、無料レッスンであっても商業施設などで「顧客を誘引するため」となれば営利目的と考えられます。
レッスン音楽は著作権フリーがベター
結論から言うと、音楽著作権は「著作権フリー」で「商用利用可能」な音楽を使うのがおすすめ。
理由は以下の3点です。
- 音楽著作権は複雑
- 使う場面でルールが違う
- JASRAC(ジャスラック)の申請も複雑
順番に解説します。
音楽著作権は複雑
音楽著作権は、正直なところ色々な権利が絡み合っていて理解がかなり難しいです。
関連権利を並べるとこんな感じ。
- 複製権
- 上演権・演奏権・上映権
- 公衆送信権
- 譲渡権・貸与権・頒布権
- 翻訳権・翻案権
例えば、楽譜をコピーして使いたいなら「複製権」、演奏したいなら「演奏権」、オンラインレッスンで利用したいなら「公衆送信権」となります。
使う場面でルールが違う
音楽著作権は使用する場所によっても判断が変わってきます。
例えば、著作権法の演奏権(22条)は公衆に対する演奏の場合に及びますので「特定少数」に対しては許諾は必要ありません。
つまり、「個人教室」は対象外となる場合があります。
しかし、この「個人教室」が公民館やイベントスペースなどの「公共の場」で行われると、許諾が必要になる可能性が高くなります。
また、オンラインレッスンで使用する場合は「演奏」ではなく「配信」という形になり、「個人教室」でも許諾が必要となります。
JASRACの申請も複雑
音楽を利用するときは、多くの場合「JASRAC(ジャスラック)」に申請します。
大まかな手続きは、以下の2つ。
- 使用したい音楽に許可が必要か確認する
- 手続きが必要であった場合には、JASRACのサイトから必要な書類などを準備して申請を行う
許可が必要か確認するには、JASRACのサイトからJ-WID(作品データベース検索サービス)にて確認できます。
たったの2ステップなので簡単そうに見えますが、提出書類には「約款」と呼ばれる細かい注意書きがびっしり書かれています。
書類はここから確認できますので、気になる方はどうぞ。
≫ https://www.jasrac.or.jp/info/download.html
許可が出るまでは約2週間
音楽を使用するには「事前の許諾」が必要なので、申請を行い、許諾がなされてからようやく音楽を使用することができます。
通常なら、申請から許諾までにかかる期間は10日から2週間です。
最低月額¥5,000が必要
料金は利用する規模などによって異なりますが、ポイントは以下の3つです。
- 最低月額は¥5,000
- 5日までの使用であれば1日¥1,000
- 利用目的に合わせて利率が設定
使用料は3か月に1回、支払います。
料金はJASRACのサイトからシミュレーションできます。
許可を得ないと、法律違反
「許諾」を得ずに利用すると、著作権侵害とみなされて法的措置がとられます。つまり、罰金。
刑事罰としては「10年以内の懲役、もしくは1,000万円以内の罰金」、民事の場合は損害の実態に応じた損害賠償が請求されます。
ということで、ヨガレッスンで使用する音楽は「著作権フリー」で「商用利用可能」なものを利用するのがおすすめというワケです。
ヨガレッスンの利用OKなBGM・音楽素材サイト10選
ということで、いよいよ本題です。
これより、ヨガインストラクターが安心して使える「著作権フリー」で「商用利用も可能」なBGM・音楽素材の無料サイトをまとめて紹介します。それぞれのサイトに特徴があるので、自分のレッスンテーマに合った音楽素材を見つけてください。
おすすめ①:甘茶の音楽工房
画像引用:「甘茶音楽工房」公式サイト
「甘茶の音楽工房」は、音楽素材サイトとしては超有名。幅広いジャンルの音楽素材があり、「明るい」や「癒やし」といったように、イメージから楽曲を探すこともできます。
オーケストラやポップスなどのジャンルからも音楽素材を見つけ出せます。また、現在でも音楽素材が更新され続けていて、トレンドに合った楽曲がダウンロードできます。イージーリスニングやヒーリング系の楽曲が充実しているので、主張しすぎず聴きやすい楽曲を探している人にはおすすめのサイトです。
サイト名 | 甘茶の音楽工房 |
商用利用 | 可能 |
クレジット表記 | 任意 |
おすすめ②:ノスタルジア
※画像引用:「ノスタルジア」公式サイト
「ノスタルジア」は先に紹介した「甘茶の音楽工房」が運営している音楽素材サイト。クラシック楽器を用いたアコースティックな音楽素材が多くあります。
「甘茶の音楽工房」と同様に、イメージやジャンルから自分の希望に沿った楽曲を見つけられるので便利。ピアノやアコースティックな楽曲を探している人にはおすすめのサイトです。
サイト名 | ノスタルジア |
商用利用 | 可能 |
クレジット表記 | 任意 |
おすすめ③:DOVA-SYNDROME
※画像引用:「DOVA-SYNDROME」公式サイト
「DOVA-SYNDROME」は様々なアーティストが音楽素材を提供している音楽サイト。アプリ・ゲーム・映像など、さまざま分野の作曲家が登録しています。
楽曲数も多く、なんと1万曲以上が登録されています。検索機能も使いやすく、雰囲気や曲調のほか、楽曲の再生時間などでも楽曲を探すことができます。
サイト名 | DOVA-SYNDROME |
商用利用 | 可能 |
クレジット表記 | 不要 |
おすすめ④:SHW
※画像引用:「SHW」 公式サイト
「SHW」は和テイストのBGMや管弦・オーケストラ系の楽曲が充実している音楽素材サイトです。楽曲数は少なめですが、クオリティの高い曲が配布されているので、一度、視聴してみることをおすすめします。
サイト名 | SHW |
商用利用 | 可能 |
クレジット表記 | 不要 |
おすすめ⑤:Music Material
※画像引用:「Music Material」公式サイト
「MusicMaterial」は「BGM素材」をはじめ、「ジングル素材」「ポップス素材」といった定番の素材や、繰り返しの利用を想定した「ループ素材」などを配布しています。
サイト名 | Music Material |
商用利用 | 可能 |
クレジット表記 | 不要 |
おすすめ⑥:Snow Music
※画像引用:「Snow Music」公式サイト
「Snow Music」は、控えめな曲調の素材があるので便利な音楽素材サイト。やんわりBGMは入れたいけど、レッスンに集中してもらいたい時に使える音楽が揃います。
ジャンルや楽器別にカテゴリー分けされているので、楽曲を探すのも簡単です。
サイト名 | Snow Music |
商用利用 | 可能 |
クレジット表記 | 任意 |
おすすめ⑦:YouTube Audio Library
※画像引用:「YouTube Audio Library」公式サイト
「YouTubeAudioLibrary」は、YouTubeが提供する音楽素材サイトです。YouTubeのアカウントを持っていれば誰でも使用できます。
「ジャンル」「気分」「楽器」「長さ」「帰属表示」といった条件で楽曲を検索できるので、アカウントを持っている人は、まずここから音源を探しはじめても良いでしょう。
サイト名 | YouTube Audio Library |
商用利用 | 可能 |
クレジット表記 | ※原則必要(著作表記が不可能な場合に限り、表記無しで利用可能) |
おすすめ⑧:Music-Note.jp
※画像引用:「Music-Note.jp」公式サイト
「Music-Note.jp」は、ゲーム開発を手掛ける株式会社ピクセルが運営している音楽素材サイト。プロが作成するだけあって、高音質なBGM素材・効果音素材が用意されています。
利用規約には「できる限り著作の明記を」と記載がありますが、公共施設などのイベントで利用するような著作表記が難しい場合は、著作表記無しでの利用を許可しています。
また、企業が商用利用する場合は、1曲につき楽曲使用料 2,200円(税込)を支払うか、運営会社のTouTubeチャンネル登録で利用が可能です。
サイト名 | Music-Note.jp |
商用利用 | 可能 |
クレジット表記 | ※原則必要(著作表記が不可能な場合に限り、表記無しで利用可能) |
おすすめ⑨:魔王魂
※画像引用:「魔王魂」公式サイト
「魔王魂」も音楽素材サイトとしては超有名サイト。1000点以上の音楽素材を配布しており、YouTubeなどでも多数利用されているので、耳にしたことのある曲が多数あります。
一括ダウンロードもでき、クオリティの高い音楽素材をまとめてダウンロードしたい人にはおすすめです。
サイト名 | 魔王魂 |
商用利用 | 可能 |
クレジット表記 | ※原則必要(著作表記が不可能な場合に限り、表記無しで利用可能) |
おすすめ⑩:BGMer(ビージーエマー)
※画像引用:「BGMer(ビージーエマー)」公式サイト
「BGMer」は利用イメージに合わせて、楽曲を探せるので便利です。
一曲につき1分30秒前後のショートバージョンと5分前後のロングバージョンの2パターンがあり、利用シーンにあわせて尺が選べます。利用シーンから直感的に選びたい方におすすめです。
サイト名 | BGMer(ビージーエマー) |
商用利用 | 可能 |
クレジット表記 | 任意 |
使用前には必ず「利用規約」を確認
何度も言いますが、今回紹介した音楽素材を利用する場合でも、必ず各サイトの「利用規約」に目を通してください。利用規約は途中で変更となる可能性があります。
また、「著作権フリー」といっても著作権を放棄しているわけではありません。利用規約に書いてある以外の用途で使用した場合は、ペナルティを受ける場合があります。
まとめ
本記事のまとめです。
ヨガインストラクターがレッスンで音楽を使用する場合は、「著作権」を気にする必要があります。
しかしながら、音楽著作権は理解が難しく、手続きも一筋縄ではいきません。
そのため、「ちょっと心配だわ…」という人は、「著作権フリー」で「商業利用」が可能な音楽を使用すると良いでしょう。
おすすめは以下の10サイト。
おすすめサイト
上記サイトであっても、利用にあたっては事前に「利用規約」を確認してください。
本日は以上です。
この記事がどなたかのお役に立てたら嬉しいです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
本記事の参考文献
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